2016年3月11日金曜日

創造的贈り物


地湧社が創立以来出してきた月刊誌「湧」の1986年発行の第1号から、巻頭言を土日を除く毎日1編ずつ掲載していきます。

(月刊「湧」1988年12月号)

創造的贈り物


 メアリーはクリスマスが近づいたので、友だちのスージーに何を贈ろうかと悩んでいた。だ
ってスージーは欲しいものは何でも持っているんだから。そこでメアリーはアフリカの難民に
スージーの名前で豚を一頭送ることを思いついた。このアイディアはたちまちブームになって
スージーの豚をはじめさまざまな寄付がアフリカに送られた。
 また最近、ワシントン市街の一角に黒い大理石の長い壁ができた。これはベトナムの悲劇を
再び繰り返さないようにという、一人の日米混血女性の願いから発したアイディアである。こ
の壁はベトナム・メモリアルと名づけられた。
 南米のエクアドルは、アメリカから永久に返せないほどの大負債をしていた。この負債を、
ある自然保護団体が大がかりな募金集めをして返済した。その見返りにエクアドル政府は、一
定地域の自然保護ゾーンを作ることを約束した。
 これらは、つい数日前に、ロサンゼルスのミセスM・ファーガソンのリビングで聞いた話で
ある。
 彼女が八年前に著した『アクエリアン革命』は、アメリカをはじめ全世界で起こりつつある新
しい潮流を紹介し、ミリオンセラーとなった。そして彼女は今、新著『ニュー・コモンセンス』
を脱稿しようとしている。この本は、我々は現代文明という急行列車に乗って、断崖に向かっ
て突っ走っているのだと自覚している人々に、新しいアイディアの道を拓く意欲を与えるだろ
う。 (MM)
                               1988年12月10日発行

(次世代のつぶやき)
この当時、『アクエリアン革命』の著者、マリリン・ファーガソンさんの新著執筆を見守りがてら、5ヶ月間ロサンゼルス、マウントワシントンの彼女の家に居候しました。マリリンは脳と心の研究をして、「Brain/mind Bulletin」という雑誌を発行していました。アル・ゴアはじめ有名な政治家や思想家がお忍びで訪問してきてびっくり。『ニューコモンセンス』は、残念ながら陽の目を見ませんでしたが、『アクエリアン革命』は、いま読んでも古くありません。復刊を目指しています。
(2016年3月11日 増田圭一郎 記)